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家の中に”余白”をつくる|50代からのゆるミニマリズム入門

50代からのゆるミニマリズム|家の中に余白をつくり暮らしを整えるキッチン風景

毎日の暮らしに追われて、ふと「家の中に自分の居場所がない」と感じたことはありませんか?
クローゼットや引き出しには使わないモノがあふれ、リビングもどこか落ち着かない。予定もモノもいっぱいで、心にまで余裕がなくなってしまう——。

50代を迎えた今だからこそ、暮らしに“余白”を持つことが大切だと実感しています。
それは、モノを減らすことが目的ではなく、心がほっとできる空間と時間を取り戻すこと。

今回の記事では、私が実際に取り入れている「ゆるミニマリズム」の考え方と、小さな工夫で余白を生む方法をご紹介します。


目次

「余白のない暮らし」に息が詰まりそうだった頃

あの頃の私は、いつも何かに追われている気がしていました。

朝はバタバタ、夜はぐったり。クローゼットは詰め込みすぎて開けるのが怖く、リビングの棚にはいつの間にか増えた小物たち。予定帳は書き込む余白もないほどびっしりで、ちょっとしたことですぐに疲れてしまう毎日でした。そんな自分に「まだまだ頑張りが足りないのかな」と、焦ってばかりいたものです。

家の中を見渡せば、あちこちに「いつか使うかも」「もったいない」と思って取っておいたモノたち。引き出しを開ければ、奥に何があるのかわからない状態。掃除をしようにも、まず物を移動させることから始めなければならず、それだけで疲れ果ててしまいます。

仕事から帰って来ても、家の中がモノであふれていると、なぜか心が休まりませんでした。「片付けなければ」という思いが頭の片隅にいつもあって、リラックスすることができない。そんな状況が続いていたのです。

でもある日、ふとした瞬間に気づいたんです。

「私、いま、呼吸してる?」

気持ちの余裕も、空間のゆとりもない。まるでギチギチに詰め込んだ暮らしの中で、息を止めて生きているような感覚でした。家にいるはずなのに、心が落ち着く場所がどこにもない。そんな状態が、もう何年も続いていたことに気づいたのです。


減らすことが目的じゃない。”余白”は心の居場所

「ミニマリスト」という言葉には、ちょっとストイックな印象がありますよね。必要最低限のモノしか持たない人、真っ白で整然とした部屋。雑誌で見る美しい部屋に憧れる一方で、「私にはハードルが高すぎる…」そう思っていました。

完璧主義の私は、やるなら徹底的にやらなければ意味がないと考えがちでした。でも、そんな考え方が余計にプレッシャーになって、なかなか行動に移せずにいたのです。

でも、ある本に書かれていた言葉が心に残りました。

「余白は、心の居場所になる。」

減らすことが目的じゃない。捨てることが偉いんじゃない。大切なのは、自分が心地よく過ごせる”空間と時間の余白”をつくることなんだと。その言葉を読んだとき、肩の力がふっと抜けるような感覚がありました。

余白があることで、心に余裕が生まれる。物理的なスペースができることで、精神的なゆとりも生まれてくる。そんな相関関係があることを、その時初めて実感したのです。

私が求めていたのは、完璧なミニマリストの部屋ではなく、ただ「ほっと一息つける空間」だったのかもしれません。


ミニマリズムって難しい?いいえ、私流でいい

SNSで見かけるミニマリストの暮らしは、確かに美しい。でも、それをそのままマネしようとすると、どこか息苦しくなることも。年齢も家族構成も、ライフスタイルも違う人の暮らしを、そのまま取り入れようとしていたのです。

私がたどり着いたのは、”ゆるミニマリズム”というスタイルでした。

  • モノは少なすぎなくていい
  • 「ときめく」かどうかより、「今の自分に必要か」で判断
  • 整いすぎていない空間にも、温かさがある
  • 急がず、焦らず、自分のペースで

完璧じゃなくていい。「ちょっと心が落ち着く」そんな空間を目指すだけで十分だったんです。

50代の私たちには、若い頃とは違った価値観や、大切にしたいものがあります。子育ての思い出が詰まったモノ、長年愛用してきたお気に入りの品々。それらを一律に「不要」と判断するのではなく、今の自分にとっての意味を問い直してみる。そんなアプローチが、私には合っていました。


50代から始める「ゆるミニマリズム」のすすめ

20代や30代のように「モノに囲まれていること=豊かさ」だった時代を経て、今、50代の私たちに必要なのは「軽やかさ」なのかもしれません。

モノを持つことに安心していた時期から、モノが少ないことで自由になれる感覚を知る時期へ。人生の折り返し地点を過ぎた今だからこそ、本当に大切なものが見えてくるのです。

家の中を見渡してみると、こんなモノたちがありませんか?

  • 何年も使っていない家電
  • いつか読むかも…と思いながら積まれた本
  • 体型が変わって似合わなくなった服
  • なぜか取ってある紙袋や箱たち
  • 用途不明になった小物類
  • 壊れているけれど捨てられずにいるモノ

それらは「不安を埋めるための持ち物」だったのかもしれません。「もしかしたら必要になるかも」「捨ててしまって後悔したらどうしよう」そんな漠然とした不安から、モノを手放せずにいたのです。

でも、50代になった今思うのは、本当に必要になったら、その時にまた手に入れればいいということ。若い頃ほど「もったいない」という気持ちに縛られる必要はないのです。

今の私は、こう思っています。

「モノを減らす=自分を削ること」じゃない。モノを減らす=”私”を取り戻すこと。

長年溜め込んできたモノの奥に埋もれていた、本当の自分の好みや価値観。それを掘り起こす作業でもあるのです。

クローゼットの中に眠っている「もう着ない服」を整理すると、朝の身支度がぐっと楽になります。
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「片付け=捨てる」じゃない。”選び直す”という考え方

片付けが苦手な人ほど、「捨てなきゃ」「断捨離しなきゃ」と思いがちです。でもその言葉に縛られて、かえって苦しくなる人も多いんですよね。

私もそうでした。「捨てる」という言葉には、どこか罪悪感がつきまといます。まだ使えるのに、まだきれいなのに、高かったのに…。そんな気持ちが邪魔をして、なかなか手放すことができませんでした。

だから、”捨てる”ではなく、”選び直す”という考え方に変えてみたんです。

  • 今の自分に合うものを選ぶ
  • 「好き」「使う」「安心できる」を基準にする
  • 過去に縛られず、未来に委ねすぎず、”今”で選ぶ
  • 自分の暮らしにフィットするかどうかで判断する

そうすると、不思議なことに、自然と手放せるようになってきたんです。「捨てる」のではなく「選ばない」だけ。その微妙な違いが、心理的なハードルを下げてくれました。

選び直すという行為は、自分自身と向き合うことでもあります。
このモノは今の私に必要だろうか?
この服は今の私に似合うだろうか?
そんなふうに問いかけながら、一つずつ丁寧に選んでいく。その過程で、自分の本当の好みや大切にしたいことが見えてくるのです。

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モノと向き合うと、自分の価値観が見えてくる

「これ、高かったし…」「もらいものだし…」「まだ使えるし…」

そんなふうに迷っていた私ですが、モノと1つずつ向き合っていくうちに、自分がどんな価値観で生きていたかが見えてきました。

  • 他人の目を気にして買ったもの
  • 「持っていれば安心」という思い込みで集めたもの
  • 「こうでなきゃダメ」と自分に課していたルールの名残
  • 過去の自分に執着して手放せずにいるもの
  • 理想の自分像に合わせて買ったけれど使わないもの

それらは、私という人間の歴史そのものでした。その時々の価値観、その時々の不安や願望が、モノという形になって家の中に残っているのです。

それに気づけただけで、モノを手放すことに罪悪感がなくなっていきました。過去の自分を否定するのではなく、ただ今の自分には必要ないというだけのこと。そう思えるようになったのです。

クローゼットを整理している時、10年以上着ていないスーツを発見しました。バリバリのキャリアウーマンを目指していた頃の私が選んだもの。当時は「デキる女性」に見られたくて、背伸びをして買ったスーツでした。

でも今の私には、もうそのスーツは必要ありません。自分らしく、等身大の自分で生きることの方が大切だと気づいたから。そのスーツにありがとうと言って手放した時、過去の自分も受け入れられたような気がしました。

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少ないほうが豊かだと気づいた3つのこと

ミニマリズムを意識しはじめてから、私は”少ないって豊かだ”という実感を得るようになりました。それは、単にモノが少ないという意味ではなく、自分が心から満たされる暮らしのことです。

①「選ぶ疲れ」が減る

持ち物が少ないと、何を着よう、どれを使おう、と迷う時間が激減します。朝の身支度が5分で終わる日もあって、「余白のある時間」が増えていきました。

以前は、クローゼットの前で10分以上悩んでいたこともありました。たくさんの服があるのに「着る服がない」と感じることもしばしば。でも、本当に気に入った服だけを残すようになってから、コーディネートを考える時間が大幅に短縮されました。

どの組み合わせにしても、自分らしくいられるし、着心地も良い。そんな安心感があるからこそ、朝の時間にゆとりが生まれるのです。

②「掃除」が苦にならない

掃除機をかけるのも、拭き掃除をするのも、物が少ないだけで驚くほど楽になりました。結果として、整った空間がずっとキープできています。

以前は、掃除をする前にまずモノを移動させることから始めていました。テーブルの上の小物を片付けて、床に置いてあるモノをどかして…。それだけで疲れてしまい、肝心の掃除が適当になってしまうことも多かったのです。

でも今は、さっと掃除機をかけて、ちょっと拭き掃除をするだけで部屋がきれいになります。掃除にかかる時間が短くなったことで、こまめにできるようになりました。その結果、いつも整った状態を保てるという好循環が生まれています。

③「買い物」が慎重になる

ミニマルに暮らすようになってから、「本当に必要なモノか?」と自分に問うようになりました。これにより、無駄遣いが減り、家計にもゆとりができるように。

衝動的に買い物をすることが減ったのは、大きな変化でした。以前は、ストレス発散のつもりで買い物をすることも多く、結果的に使わないモノばかり増えていました。

でも今は、購入する前に
「これは本当に必要?」
「今持っているモノで代用できない?」
「長く大切に使えそう?」
と自分に問いかけるようになりました。その結果、本当に必要なモノ、本当に気に入ったモノだけを選ぶようになり、無駄遣いが劇的に減ったのです。


わたしの”余白づくり”実例紹介|小さな工夫の積み重ね

1日5分でできる”余白づくり”実践法の内容も、より具体的で行動しやすい表現に修正しました。

まず最初は、引き出しひとつからスタートしました。大きな変化を目指さず、キッチンの「カトラリー収納」だけに手をつけました。作業時間はたった5分程度。毎日目にする場所から始めると、達成感が生まれます。小さなスペースでも、整理整頓ができると気持ちが良いものです。そこで得られた達成感が、次の場所への意欲につながっていきました。

次の5分は、クローゼットの一角に向かいました。「ときめき」より「今日着たいと思うか?」で判断することを大切にしています。憧れのブランドよりも、「今の私の暮らしに合っているか?」を軸に選ぶようにしました。50代の私たちには、見栄や憧れより実用性の方が大切な場面が多いのです。

1つ買ったら1つ手放すルールも、日常に取り入れやすい習慣です。靴、バッグ、衣類など、新しいものを迎える時は、古いものを手放すことを徹底しました。この「入れ替えリズム」が、物の定着化を防いでくれます。新しいモノを買う前に、まず手放すものを決める。この順番が大切です。

スマホの整理も、隙間時間にできる余白づくりです。50代になると、デジタル環境にも余白が必要だと感じるようになります。不要なアプリや通知を削除して、スマホ画面もスッキリさせました。朝のコーヒータイムに、ゆっくりとアプリを見直してみる。それだけで、情報に振り回されない穏やかな一日が始まります。

引き出しや棚を整えるときは、使うモノをすぐ取り出せるようにするのがポイントです。
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ミニマルに整えると、暮らしも人生も軽くなる

ミニマリズムの本質は、「大事なものだけを選んで、あとは手放す勇気」だと思います。これは、部屋の話だけではなく、人生全体にも言えることです。

  • 付き合いに疲れる人間関係
  • 無理して続けている習慣
  • 自分に合わなくなった役割
  • 義務感だけで参加している集まり

それらもまた、”暮らしの中のノイズ”かもしれません。モノを整理する過程で培った「選ぶ力」は、人間関係や時間の使い方にも応用できるのです。

すべてを完璧にこなそうとしていた以前の私から、本当に大切なことに集中する今の私へ。ミニマルに整えることで、「私がどう生きたいか?」が見えやすくなる。だから、モノを手放すたびに、心も軽くなるのです。

50代は、これからの人生をより自分らしく生きるための準備期間でもあります。余計なモノや関係性を整理して、本当に大切なことに時間とエネルギーを注げるようになる。そんな暮らし方ができるようになったのは、ミニマリズムと出会ったからこそだと思っています。


おわりに|余白があるから、心は自由になれる

50代は「これまでの積み重ね」と「これからの選び直し」が交差する時期。そんな中で、暮らしに余白を持つことは、自分自身への優しさでもあります。

若い頃のように、がむしゃらに頑張る必要はもうありません。自分のペースで、自分らしく、心地よく暮らしていく。そのための環境を整えることが、今の私たちには必要なのです。

ミニマリズムは、がんばるためのものではありません。誰かと比べたり、完璧を目指す必要もありません。ストイックに取り組む必要もなく、自分なりの「ちょうどいい」を見つけていけばいいのです。

少しだけモノを減らして、少しだけ心にゆとりができて。「ああ、今日はなんだか気持ちが軽いな」って思える。それだけで、十分に”豊かな暮らし”だと思うのです。

家の中に余白ができると、心にも余白が生まれます。その余白の中で、ゆっくりと深呼吸をして、自分らしい暮らしを育んでいく。50代からの新しい生き方として、ゆるミニマリズムはとても心地よい選択肢なのです。

モノと向き合うことは、自分と向き合うこと。そして、本当に大切なものが何なのかを知ること。その過程で得られる気づきや学びは、これからの人生をより豊かにしてくれることでしょう。

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50代からの暮らしを整えるゆるミニマリズム|窓辺の観葉植物と心地よい余白のある部屋
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この記事を書いた人

当ブログ管理人のかこです。
50代になり、これからの人生をもっと楽しく、豊かに生きたいと思っています。このブログでは、50代からの人生開花をテーマに、日々の暮らしや心のケア、趣味のことなどをシェアしています。

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