毎日せわしなく過ぎていく日々の中で、「あれ?私、いつ休んでる?」と気づいたのは、洗濯物を干している途中でした。
家事、仕事、実家の用事、犬の散歩。気がつけば夜10時。ようやくお風呂に入ったら、「あ、今日も1日、自分のための時間がなかったな…」と、ぼーっと湯船で反省会をしている自分がいました。そんな日が何日も続いていませんか?
実は最近、「無になる力」という言葉をよく耳にするようになりました。いわゆるマインドフルネスや瞑想もこの流れに入りますが、難しく考える必要はありません。私が思う”無になる時間”とは、「一瞬でも、自分の役割から解放されること」なのです。
役割から解放される、たった一つの時間
母親でもない、会社員でもない、娘でもない。気の利いた返事をしなくてもいい。そんな「ただの私」に戻れる時間って、案外ほとんどないものです。
でも、だからこそ大切なのかもしれません。”無”になるということは、「なにもしない」「なにも考えない」時間を、意識的に確保することなのです。
アラフィフ世代の心が疲れる理由
私たちアラフィフ世代は、正直やることが多すぎませんか?仕事では責任のある立場に立たされ、実家の親の体力や判断力に不安が出てくる頃。子どもは進学や就職、独立で心配が尽きません。家事はずっと私担当で、自分自身は更年期や目、肩、腰の不調と向き合う毎日。
もう四六時中、頭の中がフル回転しています。寝ていても考えているし、寝た気がしない。気がつけば、深夜にスマホ片手に「副交感神経 整え方」なんて検索している自分がいます。
そういう状態は、脳も心もずっとアクセルを踏みっぱなしなのです。だから疲れが取れないし、イライラしやすいし、なんだか涙もろくなったり、集中力も続かなくなったりします。そんなときにこそ、「一旦エンジンを切る」、つまり”無になる時間”が必要なのです。
実は「無」にならなくてもいい、心を軽くする方法
「じゃあ具体的に何をすれば”無”になれるの?」と思われるかもしれませんが、実は完全に「無」になる必要はないのです。
多くの人が「無にならなきゃ」と頑張りすぎてしまいがち。でも専門家は、「がんばって“無”になろうとしなくてもいい」と言います。
特別なスキルも、おしゃれなグッズも、ヨガマットも要りません。大切なのは、今の瞬間に集中できる状態を意図的に創り出すことなのです。私が試して効果があったのは、本当に些細なことばかりでした。
朝の5分間、ぼーっとお湯を飲む時間を作ってみました。「白湯を飲みましょう」なんて聞くと健康意識が高そうに思えますが、私の場合は、ただの「5分間の無言タイム」になっています。スマホは見ない、音楽もなし、犬も散歩前で寝ている。ただただ、湯呑みの湯気を見つめる時間です。朝のバタバタの前にこの”静けさ”を挟むと、なんとなく1日が穏やかに始まるのを感じます。
お気に入りのマグカップで白湯をゆっくり味わう時間が、今では私の大切な朝習慣です。
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家族と住んでいると、「ひとりになれるのって、トイレしかない…」という日もありますよね。そんなときは、便座に座ったまま3回深呼吸するだけでも、少し心が落ち着けたりします。「はぁぁぁ…」と声に出して現実逃避をするのも、案外効果的です。
そして私の癒しナンバーワンは、やっぱり愛犬です。洗濯物を畳む手を止めて、愛犬が寝ている姿を見ているだけで、なんだか心がゆるんできます。「いいなぁ…あんたは無の達人だよ…」とつぶやいたら、しっぽだけパタパタ。もう、尊い。これだけで生き返る気がします。
無になる時間は、意識しないと永遠に作れない
忙しい人ほど、「無になる時間」を後回しにしがちです。でも、放っておくと心がカサカサになって、優しさが出てこなくなります。小さなことにイライラしたり、自分が嫌いになったり、なぜか涙が止まらなくなったりする症状が出てくるから、本当に要注意なのです。
私も一時期、気持ちがいっぱいいっぱいになって、「なんで全部、私ばっかり!」と心の中で叫びながら、誰にも言えずにモヤモヤを抱えていた時期がありました。でも、ほんの数分でも「考えるのをやめる」時間を取るようになってから、少しずつ、自分の心の声が聞こえるようになった気がするのです。
私は一時期、気持ちがいっぱいいっぱいになって、「なんで全部、私ばっかり!」と心の中で叫びながら、誰にも言えずにモヤモヤを抱えていた時期がありました。
そんなふうに、何もかも自分で背負いこんでしまう気質がある方には、こちらの記事もぜひ読んでみてください。
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“無”はサボりじゃない、心のメンテナンス
「何もしないなんて、サボりじゃない?」「忙しいのに、そんな時間とれないし」と思っていた頃もありました。でも今は、こう思っています。
“無”になる時間は、心のオイル交換のようなもの。走り続けるためには、必要なメンテナンスなのです。
実際、マインドフルネスに基づく実践は、不安や抑うつに有用である可能性があると研究でも示されています。つまり、心を整える時間は決してサボりではなく、科学的にも裏付けのある大切な自己ケアなのです。
車だって、休ませずに走らせ続けたら壊れてしまいます。それと同じで、私たちの心も、ちょっと止まって整える時間がないと、すり減っていく一方なのです。ストレスや不安の軽減、自律神経を整える効果も期待できるのですから、むしろ積極的に取り入れたい習慣といえるでしょう。
無になる時間がもたらす、想像以上の変化
「無になる時間」を続けていると、最初は気づかないほど小さな変化から始まります。朝起きたときの重たい気分が少し軽くなったり、イライラしても以前ほど長引かなくなったり。
そして不思議なことに、心に余裕ができると、周りの人にも優しくなれるのです。子どもの些細なことで怒鳴らなくなったり、夫への言葉がきつくならなくなったり。実家の母からの連絡にも、以前ほど身構えなくなったり。
これは、継続することで感情に振り回されない精神力を持てるようになるからだと言われています。毎日5分でも続けることで、驚くような効果を実感する人も多いのです。
重要なのは「継続して実践すること」です。2回3回やっただけでは効果は感じにくいかもしれません。でも、毎日少しずつでも2か月間続けてみると、「あれ?なんか変わったかも」と感じる瞬間が必ず訪れます。
何もしない勇気が、あなたを救う
「”無”になる力」は、誰かに見せるためのものではありません。自分が”生きやすくなるため”の、やさしい習慣なのです。
朝の5分で白湯をすする。トイレで深呼吸する。愛犬とまどろむ。洗い物の音だけを聞く。湯船で天井を見つめる。それだけでいいのです。
「今、私は”誰でもない自分”でいられているなぁ」と思える時間が、少しずつ自分を満たしてくれます。そして、その小さな”無”が積み重なると、ある日ふと「あれ?ちょっと余裕があるかも?」と感じられる日がくるかもしれません。
そんなふうに、”何もしない時間”が、私たちを少しずつ元気にしてくれるのだと思います。
毎日を一生懸命に生きているあなたへ。今日から、ほんの少しだけ、”無”になる勇気を持ってみませんか?その小さな一歩が、きっとあなたの心を軽やかにしてくれるはずです。
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