子どもが巣立って寂しいあなたへ|心の穴を埋める“自分時間”のつくり方

子どもが巣立つ前、母と娘が手をつないで歩く姿|50代母の感情に寄り添う一枚
目次

子どもが巣立った日、静かになった部屋と、私の心

玄関のドアが閉まった瞬間、部屋の中がしんと静まり返りました。
「いってきます」という声がもう聞こえない朝。
キッチンに残る湯気すら、少しだけ寂しそうに感じてしまったのは、私の気持ちのせいだったのかもしれません。

子どもがひとり暮らしを始めた日。
嬉しさと寂しさが同時にやってきて、どう気持ちを整理していいか分かりませんでした。

成長してくれたことは誇らしい。
無事に巣立ってくれたことには、心から安堵もしている。

でもその反面で、ずっとそばにいた存在がぽっかりといなくなった現実に、言葉にできない虚しさが込み上げてきました。

「寂しい」と口に出すことさえ、ためらっていた

人に話すときには、「うちの子もようやく独立してくれて」と笑顔で言っていました。
それは本音でもあったけれど、実はその裏側には、どうしようもない心細さが隠れていました。

「寂しいなんて言っちゃいけない」
「子どもは自立していくものなんだから」

そう自分に言い聞かせて、素直な感情を押し殺していたのです。
でも、本当はちゃんと認めるべきでした。
寂しいときには、寂しいと言っていいのだと。

子どもの巣立ちは、「よかったね」と言われる出来事だけど、母親の胸の中では小さな喪失感が確かにうずいています。

それをなかったことにしようとすればするほど、心のどこかにしこりが残ってしまうのだと、あとになって気づきました。

母親としての役割が終わったような気がして

毎日、お弁当を作って、送り出して、部活の帰りを待って。
疲れて帰ってきた子どもに「おかえり」と声をかけて。
そんな“当たり前”が突然なくなると、心にぽっかり穴が空いたような気がしました。

  • 「夕飯、何を作ればいいんだろう」
  • 「洗濯物、ずいぶん少なくなったな」
  • 「起きる時間がバラバラでも、もういいのか…」

子ども中心だった生活から、自分だけの時間に切り替える。
たったそれだけのことが、こんなに難しいなんて、私は思ってもいませんでした。

「母親」としての役割が、どこかで終わってしまったような感覚。
それは誇りと引き換えに感じる、正体のわからない“空白”だったのです。

「私って、どんな人間だったっけ?」と問い直す日々

ふと気づけば、子どものいない部屋でぼんやりしている時間が増えていました。
時間はあるはずなのに、何をしたらいいのか分からない。
やりたいことが思い浮かばない。

それもそのはずでした。
私は長い間、「母親」としての自分に全力で生きてきたから。
“私自身の人生”は、どこか後回しにしてきたような気がするのです。

「私って、何が好きだったんだっけ?」
「何をしてるときに、心が動いてたんだろう?」

そんな問いが、静かな部屋の中で何度も繰り返されました。
それはきっと、自分をもう一度取り戻すための入り口だったのかもしれません。

感情を見つめ直すために始めた「書く習慣」

気持ちの整理がつかないとき、私は一冊のノートを手に取りました。

「今日はちょっと寂しい」
「子どもが元気でありますように」
「私も何か始めなきゃって思ってる」

そんなふうに、誰にも見せるわけでもない“自分への手紙”のように、気持ちを書き出してみたのです。

不思議なことに、それだけで少し心が軽くなっていく気がしました。
言葉にすることで、モヤモヤの輪郭がはっきりして、少しずつ受け止められるようになったのです。

ほんの少し、自分のための時間を持つ勇気を

子どもがいなくなった空白を、何かで埋めようと焦っていた時期もありました。
でも、今思えば必要だったのは、“すぐに埋めること”ではなく、“自分を見つめ直す余白”だったように思います。

何かを始める前に、まずは心を整える時間。
何もしていないようで、実はとても大切な時間でした。

もし、今のあなたも似た気持ちを抱えているなら──
まずは「自分の気持ち」をちゃんと感じて、認めてあげてください。
それが、自分らしく歩き出す第一歩になるはずです。


つい口を出したくなる気持ちと、“ちょうどいい距離感”を探して

「まだ親でいたい」と思ってしまう私

子どもが巣立っても、親としての気持ちがすぐになくなるわけではありません。
むしろ、離れて暮らすようになってからのほうが、「ちゃんとやっているかな?」「困っていないかな?」と心配になることが増えたような気がします。

自分が経験してきたことだからこそ、言っておきたいアドバイス。
失敗しないようにと願う気持ち。
それらは愛情に違いないけれど、ふと気づくと、「いらぬお節介」になってしまっていることもあるのです。

あの子はもう、大人なのだと受け止める

ある日、LINEで送った生活アドバイスに対して、娘からこんな返信が返ってきました。

「うん、大丈夫だよ。もう子どもじゃないんだから」

その言葉にハッとしました。
そう、もう子どもではない。私が思うよりずっと、あの子は自分で考えて動いているのだと。

子どもは親の知らないところで、ちゃんと自分の足で歩き始めている。
それを信じて見守ることが、今の私にできる“親としてのかたち”なのだと気づいた瞬間でした。

会いたいけれど、そっとしておく勇気

離れて暮らすようになると、「今何してるかな」「会いたいな」と思うことも増えます。
でも、頻繁に連絡をすると、子どもにとっては“干渉”と感じられてしまうこともあるかもしれません。

私はある時期、連絡が少ないのが不安で、「元気?」と何度もメッセージを送ってしまったことがありました。
すると、「心配してくれてありがとう。でも、必要なときはこちらから連絡するね」と、やんわりと距離を置かれてしまったのです。

そのときは少し寂しかったけれど、今思えば、それこそが子どもの成長の証
親としての私が「寂しい」を乗り越えて、“信じて待つ”という関わり方に切り替えるタイミングだったのです。

「親らしさ」ではなく、「人としての信頼」を育てる

子どもが巣立った後の関係は、もう“育てる”というより“つながる”ものだと思うようになりました。

指導するのでもなく、教えるのでもない。
ただ、何かあったときに「話したくなる存在」でいられたらいいなと思います。

だから私は、今はこんなふうに意識しています。

  • 「何かあったらいつでも聞くよ」とだけ伝えて、あとはそっとしておく
  • 子どもとの会話で、自分の話ばかりしない
  • 子どもが話してくれることを、ジャッジせずに聞く

これらは簡単なようでいて、意外と難しい。
でも、親子の新しい信頼関係を育てるためには、こうした“静かな関わり方”が大切なのだと思うようになりました。

50代からの「親としての学び直し」

子どもが自立していく中で、親もまた学び直しているのだと思います。
“親であること”にしがみつくのではなく、「一人の人間として、子どもとどう関わっていくか」を考え直す時期なのかもしれません。

最初はうまくいかなくても、ぎこちなくてもいい。
ただ、「私もあなたと同じように、変わっていこうとしているよ」という姿勢が伝われば、それだけで十分なんじゃないかと、今の私は思います。

親としての役割を少しずつ手放しながら、自分自身の人生を見直したいと感じた方には、こちらの記事もおすすめです。
👉 誰かのためじゃなく、自分のために──無理しない毎日のつくり方


ひとりの時間がこわかった──孤独と向き合う静かな日々

子どもがいない部屋に、ぽつんと取り残された気がして

朝起きても、誰もいない。
夜になっても、「おかえり」と言う相手はいない。
テレビの音だけが、ぽつんと響いている。

そんな静かな部屋に、私は取り残されたような気持ちになっていました。
子どもがいた頃は、いつも時間に追われ、話しかけられ、忙しくしていたのに。
いざ一人になると、こんなにも心細いものなんだと、初めて実感しました。

「自由」って、こんなに寂しいものだったっけ?

子どもが独立したら、自分の時間が増える。
趣味に没頭したり、のんびりしたり、旅行にだって行ける。
──そんなふうに思っていたのに、現実は違いました。

やることがないわけじゃない。
でも、「誰かのため」がなくなったことで、自分の存在価値がわからなくなってしまったのです。

自由であることは、時に孤独を伴う。
そしてその孤独と向き合うには、思っていた以上に勇気がいる。
そんなことを、50代になって初めて知りました。

人と比べるたびに落ち込んだ日々

SNSでは、子どもが巣立って自由を満喫している同年代の女性たちの姿が目に入りました。

  • 旅行に行った写真
  • おしゃれなランチ
  • 再婚した話や恋愛の話…

そんな投稿を見るたびに、「私、何してるんだろう」と落ち込みました。
比べる必要なんてないとわかっていても、気づけば他人の暮らしに自分を重ねて、勝手に劣等感を抱いてしまう。

心がぽっかりしているときほど、他人の眩しさが痛かった。
自分にとっての「満たされる形」は、いったいどこにあるんだろう?
そんな問いが、頭の中で何度もループしていました。

寂しさをごまかさない。まずは「感じきる」

ある日、「寂しいのをどうにかしなきゃ」と思っていた自分に疲れてしまいました。
そして、ふとこう思ったのです。

「もう、無理に元気にならなくていいか」

その日から私は、寂しい日は寂しいままに過ごすようにしました。

  • 好きな紅茶をいれて、ぼーっとする
  • 無音の部屋で本を読む
  • ベッドに入って、昔のことを思い出す

それだけのことだけれど、「ごまかさない」ことで、少しずつ心がほぐれていったのです。
悲しみも、寂しさも、ちゃんと感じきれば、自然とやわらいでいくものなのかもしれません。

孤独が教えてくれた、“私”の居場所

そんな日々の中で、私にはいくつかの**「救いの時間」**が生まれました。

  • ガーデニングをして、土に触れること
  • 散歩しながら、空の色に気づくこと
  • ポッドキャストで誰かの声を聴くこと

誰かと話すわけでもない、何かすごいことをするわけでもない。
でも、それらは確かに私の「心の居場所」になっていきました。

孤独って、悪いことばかりじゃない。
自分自身と対話するための、大切な時間でもあるのだと、少しずつ思えるようになったのです。

孤独を感じる時間の中で、何もしないことを許す──そんな考え方に救われた方には、こちらの記事もきっと響くはずです。
👉 「人生は暇つぶしでいい」──50代で気づいた“何もしない”を楽しむ暮らし方


誰のためでもなく、“私のために過ごす時間”を取り戻す

ひとり時間に、目的なんていらなかった

それまでは、誰かのために動く毎日でした。
ごはんを作るのも、掃除をするのも、何かを決めるのも、いつも「家族優先」が当たり前。

けれど今は、目の前にあるのは「自分のための時間」です。
最初は、どう使っていいか分からなかった。
でもあるとき、「別に意味のあることをしなくてもいいんだ」と気づきました。

  • ただ、ベランダで日向ぼっこをする
  • コーヒーを丁寧に淹れて、香りを楽しむ
  • 何も考えずに、空をぼーっと眺める

それだけで、心の奥にあるザワザワが少し落ち着いていくのを感じたのです。
“ちゃんとしたこと”じゃなくていい。自分のための時間は、肩の力を抜いた先にあったのです。

小さな「楽しみ」が、暮らしを満たしてくれる

意識して、日々の中に小さな「楽しみの種」をまくようになりました。

  • お気に入りのハーブティーをいれる
  • ドラマを1話だけ、ゆっくり見る
  • 手帳に、今日よかったことを1つだけ書く

そんなささやかな習慣が、心の土台をやわらかく整えてくれるようになったのです。

そして何より、「自分のために何かをしてあげる時間」は、自己肯定感にもつながっていきました。
私はいま、自分をちょっとだけ大切にできている。
その実感が、前向きな気持ちを支えてくれているような気がします。

何かを始めたくなったら、それが合図

ひとりの時間をしばらく楽しんでいると、不思議と「何かしてみたいな」という気持ちが湧いてきました。

  • 昔やっていたハンドメイドを再開したり
  • 本棚の奥にしまっていた小説を読み返したり
  • 少しだけ、遠出してみたくなったり

「これをやらなきゃ」ではなく、「やってみたいかも」と思えることを選ぶ。
そのスタンスが、私にはとても合っていました。

思えば子育て中は、やりたいことがあっても我慢することが多かった。
だからこそ今は、“気ままに試してみる”こと自体が、贅沢な時間なのです。

わたしの“今”を支えてくれているアイテムたち

この時期、いくつかのアイテムにも救われました。
大げさかもしれないけれど、「これがあってよかった」と思えるモノたちです。

  • 🫖 カモミールティー:夜、眠れない日にも心を落ち着けてくれた
  • 📚 心を整える本:孤独や不安に優しく寄り添ってくれたエッセイや自己啓発書
  • 🎧 Audible(オーディブル):目を閉じながら聞く「誰かの声」が、孤独を癒してくれた
  • 🕯 アロマディフューザーとラベンダー精油:香りがあるだけで、心と空気が整うような気がした

こうした「五感を整える習慣」が、自分をケアする助けになったと思います。

気持ちの整理には、ノートに思いを書き出すのもひとつの方法です。
私はこの本に出会ってから、感情をジャーナリングする習慣ができました。
👉 『手帳で夢をかなえる全技術』(高田晃)

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家族との関係や人生のパートナーシップを、改めて考え直したい方には、こちらの記事も読んでいただきたいです。
👉 再婚しない理由とは?私が選んだ自由な生き方


子どもを見送ったあとも、人生はまだ続いていくから

「母親」でなくなったわけじゃない。役割が変わっただけ

子どもが巣立ったあと、「母親としての役目は終わった」と感じる瞬間がありました。
でも、それはきっと少し違っていたのだと思います。

“終わる”のではなく、“変わっていく”。
手を引いて歩いていた時期から、横に並んで歩く関係へ。
そして今は、少し離れたところから静かに見守る、そんな関係に。

母親としての存在がなくなるのではなく、形が変わっていく──
それに気づけたことで、私は少しずつ前を向けるようになりました。

あなたのこれからを、大切にしていい

長い時間、誰かのために生きてきたあなたへ。
今こそ、自分のことを真ん中に置いて生きる時間がきたのだと思います。

  • まだ知らない景色を見に行く
  • 誰にも気をつかわずに、一人でカフェに入る
  • 「もう遅い」ではなく、「今からでも」と言ってみる

そんな一歩を、少しずつ重ねていけばいい。
やっと訪れた“自分時間”を、どうか罪悪感なく、心から楽しんでほしい。
それはあなたに与えられた「第二の人生」だから。

同じ気持ちで悩むあなたへ、そっと伝えたいこと

もし今、子どものいない部屋でひとりきりの時間を過ごしているのなら──
その寂しさは、決してあなただけのものではありません。

「こんな気持ち、誰にも言えない」
「周りはみんな元気そうなのに、私だけが取り残されたようでつらい」

そんなふうに感じること、私にもたくさんありました。
でも今は、「あのとき寂しさと向き合えたからこそ、今の自分がいる」と思えるのです。

だからどうか、自分の気持ちを責めないでください。
そして、自分自身の声に、優しく耳を傾けてあげてください。

最後に──ぽっかり空いた心の穴は、きっと自分で埋められる

子どもがいた時間は、かけがえのないものでした。
だからこそ、そのあとの静けさが胸にしみるのは、自然なこと。

でも、ぽっかりと空いたその場所には、あなただけの“これからの時間”が少しずつ満ちていくはずです。
それは、誰のためでもない、あなただけの人生。
自分の歩幅で、自分のペースで、ゆっくりと進んでいければいいのだと思います。

私もまだ、完璧に切り替えられたわけではありません。
でも、あの日より少しだけ前を向いている。
その実感を、大切にしながら生きています。

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この記事を書いた人

当ブログ管理人のかこです。
50代になり、これからの人生をもっと楽しく、豊かに生きたいと思っています。このブログでは、50代からの人生開花をテーマに、日々の暮らしや心のケア、趣味のことなどをシェアしています。

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