親がまだ元気なうちに、介護の話をするなんて縁起でもない――。 そう思っていたのは、かつての私です。
でも、ある日突然やってくる“その時”。 病気、けが、入院…そんなときにバタバタと始まる介護。 情報不足で右往左往しながら、親の希望もわからずに決断を迫られる。 「もっと早く話しておけばよかった」と、何度思ったことか。
そんな後悔をしないために、今日は「親が元気なうちにこそ話しておきたい介護のこと」について、実体験を交えてお話ししたいと思います。
親の介護、いつ始まる?
ある日、母が転倒して救急搬送されました。 幸い骨折もなく、数日で退院できたのですが、その一件が私たち家族にとっての転機でした。
「今は元気だけど、もしも…」 そんな“もしも”は突然やってくるんです。
その時に「何も決めていなかった」「何も知らなかった」では、親も自分も不安だらけになります。
私自身、それまで「介護=まだ先の話」と思い込んでいました。 でもいざ現実が目の前にくると、何をどうすればいいのか分からず、ネットで情報をかき集める日々。 そんな中で、いちばん感じたのは「もっと早く知っておけばよかった…」という気持ちでした。
ステップ①:地域の相談窓口を知っておく
まず、情報収集から始めましょう。 地域には“地域包括支援センター”という、高齢者や家族の相談に乗ってくれる窓口があります。
私はここで、介護サービスの仕組みや、要介護認定の流れなどを教えてもらいました。 「今すぐじゃなくても、こういう制度があるんだ」と知っておくだけでも、大きな安心になります。
家の近くのセンターに電話をして、「まだ介護が必要というわけではないんですが…」と伝えたら、丁寧に話を聞いてくださいました。 「今のうちに話を聞きに来るのは、とても大切なことですよ」と言ってくださった言葉が、すごく心に残っています。
📘おすすめ本:[親の介護が必要になる前に読む本]
ステップ②:介護が必要になったときの流れを知る
介護が始まる流れは、大きく分けて
- 要介護認定の申請
- ケアマネジャーとの面談
- サービス利用の開始
この3ステップ。
これを知らずに、いきなり「デイサービスってどうやって申し込むの?」「費用は?」と焦ってしまう人が多いんです。
私も母の時、何も知らずに役所に電話し、たらい回しにされた苦い経験があります。 あのときの混乱は、今思い出しても胃が痛くなりそうです。
最近では、スマホやパソコンから市区町村のホームページを見れば、ある程度の情報は得られます。 でも、書かれている内容が専門用語だらけで分かりづらいことも。 そんな時は、直接相談できる窓口が本当にありがたい存在でした。
ステップ③:介護サービスの種類を知る
訪問介護、デイサービス、ショートステイ、特別養護老人ホーム…。
名前は聞いたことがあっても、実際の違いや使い方って意外と知らないものです。
パンフレットや資料を取り寄せることで、写真や費用感が具体的に見えてきます。
24時間365日対応の介護保険外のオーダーメイド介護サービス【イチロウ】
私たちも実際に3施設ほど資料を取り寄せて、母と一緒に見比べながら話しました。 「ここなら近いし、通えそう」と、自分の口で話してくれたのが何より嬉しかった。
見学にも行きました。 スタッフの雰囲気、利用者さんの表情、施設のにおい――。 パンフレットでは分からない「現場の空気」を肌で感じることができたのは大きな収穫でした。
そのとき母が「ここなら安心できそう」と言ったのを今でも覚えています。 その一言で、私の心もスッと軽くなったのです。
ステップ④:家族の役割を話し合っておく
「誰が中心になるか」「金銭的な負担はどうするか」
これは、できれば家族全員で話し合っておきたいポイントです。 介護は、ひとりにすべてがのしかかると本当に大変です。
うちは二人兄妹ですが、最初は「面倒みれるのは長女のあなただからよろしく」と言われ、内心モヤモヤしていました。
後から冷静に話し合って、できることをそれぞれが分担したことで気持ちもぐんと楽になりました。
介護に限らず、家族の問題は「話し合うこと」自体が難しいと感じる方も多いと思います。 でも、話してみると「意外と受け入れてくれる」「協力しようとしてくれていた」なんてこともあるんですよね。
話すタイミングは、例えば親の誕生日やお正月など、家族が集まりやすい時期に少しずつ切り出すのもおすすめです。
ステップ⑤:親の「想い」を聞いておく
そして何より大切なのが、“親の気持ち”。
どこで、どんなふうに過ごしたいか。 延命治療はどうしたいか。 お金のことは?
正直、面と向かっては聞きづらいことばかりです。 でも、聞かずに進めるのはもっとつらい。
私は、エンディングノートを渡して、母と一緒に書きながら話す時間を取りました。
✍️ [親と話せるエンディングノート]
「ここに書いてあるのを読んでおいてね」と母に言われたとき、少しホッとしたのを覚えています。
このノートは、本人の意思を残せるだけでなく、家族の心の整理にもつながります。 親の本音に触れたとき、「この人も、ちゃんと人生を考えていたんだな」と、ちょっと泣きそうになりました。
おわりに:未来の自分のために
介護は、ただの「手助け」ではなく、人生の一部になります。
だからこそ、親が元気なうちに“準備”という名の安心を、少しずつ積み重ねていくことが大事だと思うのです。
最初は「話しにくい」と感じることもあるかもしれません。 でも、一歩ずつでいいんです。 ひとつ、またひとつと準備していくことで、不安は少しずつ安心へと変わっていきます。
いま動き出せば、きっと未来の自分が「ありがとう」と言ってくれる。 そんな気がしています。
かこ

親の介護で無理しないための気づきとは?
