「もう、頑張らなくてもいいのかもしれない」── 50代に入り、そんなふうにふと思うことが増えてきました。
若い頃は「もっと上を目指さなきゃ」と常に走り続けていた私ですが、今はふと立ち止まり、「手放すこと」の意味を深く考えるようになりました。
今回は、そんな私が”風の時代”に見つけた「静かな自由」と「手放す生き方」について、心のままに綴ってみたいと思います。
手放すことで見えてきた、50代の新しい価値観
今年に入ってから、私の生活は静かに、でも確実に変わりました。
それは突然やってきた変化ではなく、まるで季節が移ろうように、自然に起こった変化でした。振り返ってみると、私自身が「手放すこと」を意識するようになったからかもしれません。
これまで「持つこと」「得ること」「頑張ること」が美徳だと信じて生きてきました。資格を取得し、キャリアを積み、人脈を広げ、物を集め、経験を重ねる。それらが人生の豊かさを表すものだと思っていました。
でも50代になって気づいたのは、時には手放すことで見えてくる景色があるということでした。握りしめていた拳を開いたとき、そこには予想もしなかった軽やかさが待っていたのです。
長年「積み重ねること」こそが価値だと信じてきた私にとって、これは大きな発見でした。クローゼットの中の着なくなった服、机の引き出しの奥の古い書類、そして心の中に溜め込んでいた「〜しなければならない」という思い込み。これらを少しずつ手放すたびに、なぜか心が軽やかになっていくのを感じました。
頑張らない介護──完璧を手放したら心が軽くなった
長年続けてきた介護も、以前ほど重荷に感じなくなりました。肩の力を抜いて向き合えるようになったのは、完璧を求めることを手放したからでしょう。
「こうあるべき」「これくらいはしなければ」という思い込みから解放されたとき、介護する側もされる側も、お互いが楽になりました。
以前の私は、介護に関する情報を集めては「もっとこうしてあげたい」「あれもこれも足りない」と自分を責めていました。雑誌やインターネットで見つけた「理想の介護」と現実のギャップに悩み、時には涙を流すこともありました。
でも今は違います。「今日できることをできる範囲で」「完璧でなくても、心を込めて」。そんな気持ちで向き合うようになったら、介護される側の表情も柔らかくなったような気がします。
笑顔で「ありがとう」と言われるとき、それは私が完璧な介護をしたからではなく、お互いにとって無理のない形で寄り添えているからなのだと実感します。
50代女性の仕事の向き合い方|「〜すべき」を手放してラクになる方法
仕事でも、これまで背負ってきた責任の重さから少しずつ距離を置くようになりました。全てを自分で抱え込むのではなく、時には人に委ねることも必要だということを学びました。
責任感が強いのは悪いことではありませんが、それが重荷になってしまっては本末転倒です。適度な距離感を保つことで、かえって物事が上手く回るようになったのは、意外な発見でした。
「私がいないと回らない」「私が全部やらなくては」という思い込みも、実は自分自身を縛る鎖だったのかもしれません。後輩に仕事を任せる勇気を持つことで、彼らの成長を見守る喜びも味わえるようになりました。
50代になって気づいたのは、「頑張る」と「頑張りすぎる」の境界線でした。前者は成長をもたらしますが、後者は疲弊を招きます。今の私は、その境界線を見極めることができるようになったと思います。
50代からの人間関係の築き方|家族・友人と心地よい距離を保つコツ
家族との関係も変わりました。それぞれが自分の人生を歩み始めた今、以前のように密着した関係ではなく、お互いを尊重し合う関係になりました。
子どもたちが小さい頃は、母親としての役割に必死でした。「良い母親でいなければ」「子どもの成長を支えなければ」という思いで、時には自分のことを後回しにしていました。
でも今は、一人ひとりが独立した大人として向き合える関係になりました。アドバイスを求められたときにはもちろん応えますが、以前のように先回りして心配することは少なくなりました。
友人たちとの関係も同様です。毎日のように連絡を取り合うのではなく、たまの電話で近況を報告し合う程度。でも、その分一回一回の会話が深く、温かいものになった気がします。
距離を置くことは、決して関係が薄れることではありません。むしろ、お互いの存在をより大切に感じられるようになったのです。適度な距離感があるからこそ、会えた時の喜びも増すのでしょう。
50代の心の豊かさとは|“外に求める生き方”を手放して気づいたこと
数年前までの私は、まるで何かに追われるように動き回っていました。週末には観光地へ出かけ、ライブに足を運び、ショッピングを楽しむ。忙しくしていることが充実している証拠だと思い込んでいました。
でも今思うと、あの頃の私は何かを埋めようとしていたのかもしれません。静寂を恐れ、一人の時間を持て余していました。常に外側に刺激を求めていたのです。外出予定がない週末は、まるで何かに負けたような気持ちになっていました。
今は違います。外に出かけることがなくても、家の中で過ごす時間が充実しています。ブログを書いたり、思いを綴ったり、ぼんやりと時間を過ごしたり。特別なことをしているわけではないのに、なぜか豊かな気持ちになれるのです。
朝のコーヒーを味わう時間、窓から見える空の色の変化、夜の静けさの中で感じる心の安らぎ。これらは、忙しく動き回っていた頃には見過ごしていた小さな幸せでした。
本を読みながら、ふと時間を忘れてしまうひととき。お気に入りの音楽を聴きながら、過去の思い出に浸る夜。そんな何気ない時間が、今の私にとってはかけがえのない宝物になっています。
そして、心を整える「香りの力」も、私の暮らしには欠かせません。静かな時間に、お香の香りがふんわり漂うだけで、ふっと肩の力が抜けるような気がするのです。
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「風の時代」をどう生きるか?50代の私の答え
「風の時代」という言葉をよく耳にするようになりました。物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさや繋がりを重視する時代だと言われています。確かに、世の中の景色は日々変わっています。価値観も、生き方も、働き方も。
私自身も、その変化の波に乗るのではなく、むしろ静かに見守っています。「置いて枯れてもいいやぁ」くらいの気持ちで。
これは諦めではありません。執着を手放した先にある、新しい生き方なのだと思います。必死に何かを掴もうとするのではなく、自然に手に入ってくるものを大切にする。流れに逆らうのではなく、その流れの中で自分らしく泳ぐ。
若い頃は、時代に遅れることを恐れていました。新しいトレンドを追いかけ、流行に敏感であることが価値だと信じていました。でも今は、自分のペースで歩むことの大切さを知りました。
急がなくても、焦らなくても、自分らしい道を歩んでいれば、必要なものは自然と手に入ってくるのです。それが「風の時代」を生きる私なりの答えかもしれません。
手放すことで広がった自由と豊かさ
手放すことで得られたのは、何よりも自由でした。
時間に追われる生活から、自分のペースで歩める生活へ。 人の目を気にする生き方から、自分らしい生き方へ。 外側の刺激に依存する日々から、内側の豊かさを感じる日々へ。
50代になって、ようやく本当の自分と向き合えるようになった気がします。若い頃は、周りに合わせることや、期待に応えることに必死でした。でも今は、自分が本当に大切にしたいものが何なのか、少しずつ見えてきています。
それは、きっと多くの女性が50代で経験することなのかもしれません。子育てが一段落し、仕事でも一定の経験を積み、人生の折り返し地点に立ったとき、初めて自分自身の声に耳を傾けられるようになるのでしょう。
「私は何を求めているのか」「どう生きたいのか」。こんなシンプルな問いに、今まで向き合う余裕がありませんでした。でも今は、その答えを静かに探し続けています。
私自身も、こうした「手放す生き方」に気づくまでに多くの葛藤や迷いがありました。
そんな日々を綴ったエッセイシリーズはこちらでご覧いただけます。
👉 手放すことで見えてくる、本当のわたし|50代からの“軽やかに生きる”シリーズ
静けさの中にあった、本当の幸せ
この変化は、きっと私が今一番したかったことなのでしょう。心の奥底で求めていた生き方なのでしょう。
手放すことで得られた自由。静かな日常の中にある豊かさ。家族や友人との深い繋がり。これらは、忙しく動き回っていた頃には気づけなかった宝物でした。
完璧を求めず、頑張りすぎず、自然体で生きる。そんな生き方が、今の私にはとても心地よく感じられます。
風の時代に吹かれながら、私は今日も静かに、自分らしく過ごしています。それでいいのだと、心から思えるようになりました。
あなたが今、心の中でそっと「手放したい」と思っているものは何ですか?
もしそれが、今のあなたにとって重荷になっているのなら、無理に握りしめなくてもいいのかもしれません。
50代は、そんな”軽やかな生き方”を見つけていく大切な時期なのだと、私は今、心からそう思っています。
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手放す前に、まずひと呼吸。木の香りがそっと背中を押してくれる。
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