「なんだか最近、体も心も重だるい」そんなふうに感じる日が増えていませんか。特に50代を迎えてから、季節の変化についていけない自分に戸惑うことが多くなりました。春になると理由もなくイライラして、夏の暑さに体がついていけず、秋には肌がカサカサになり、冬の冷えで夜眠れない。そんな毎日を過ごしていた私が出会ったのが、「季節の薬膳」という考え方でした。
50代女性の体が季節の変化に敏感になる理由
更年期やプレ更年期を迎える私たちアラフィフ世代の体は、想像以上に季節の変化に敏感です。ホルモンバランスの揺らぎに加えて、気温や湿度の変化にも反応しやすくなっているのです。若い頃なら気にならなかった季節の移り変わりが、今では体調不良の原因となってしまうことがあります。
このような季節の影響をやわらげるためには、生活習慣の見直しと同時に、栄養面でのサポートも大切です。食事だけでは補いきれない時には、更年期を支えるサプリメントで、内側からのケアを意識してみましょう。
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東洋医学では、私たちの体は「気・血・水」のバランスで健康が保たれていると考えられています。この絶妙なバランスが季節によって崩れやすくなるのが、50代女性の特徴でもあります。だからこそ、季節に寄り添った食事と生活で、体のリズムを整えることが大切になってくるのです。
季節と五臓の深いつながり
薬膳の世界では、四季それぞれが私たちの内臓と密接に関わっていると考えられています。春は「肝」、夏は「心」、秋は「肺」、冬は「腎」。そして季節の変わり目には「脾」が影響を受けやすくなります。
春になると無性にイラつくのは肝の働きが活発になるからで、夏に眠れなくなるのは心の疲れが原因です。秋の乾燥で肌荒れが起こるのは肺の不調のサインであり、冬の冷えや疲れは腎の衰えを表しています。こうした体のメッセージを理解することで、適切なケアができるようになります。
春の薬膳セルフケア~肝を整えてイライラを鎮める~
春は「肝」の季節。気温や環境の急な変化で気の巡りが滞り、感情が不安定になりやすい時期です。イライラ、怒りっぽさ、目の疲れなどを感じたら、春の養生が必要なサインかもしれません。
- セロリ(香り高く、気の流れをスムーズにする野菜)
- あさり(鉄分やミネラルが豊富。血を補う食材)
- 菜の花(ほろ苦さが肝の働きを助け、春のデトックスに)
- しらす(カルシウム・ミネラルが豊富。気を補う)
春は新緑が芽吹く美しい季節ですが、同時に「肝」の働きが活発になり、気の流れが滞りやすくなる時期でもあります。なんとなく気分が落ち着かない、些細なことで怒りっぽくなる、肩こりや目の疲れがひどくなる。こうした春特有の不調を感じる方は多いのではないでしょうか。
春の体には、気の巡りを良くする香りのある食材が効果的です。春菊や三つ葉、セロリなどの香味野菜は、停滞した気を動かして心を軽やかにしてくれます。また、みかんやレモンなどの柑橘類の爽やかな香りも、肝の働きを助けてくれます。
酸味のある食材も春の薬膳には欠かせません。梅干しや酢の物を食卓に加えることで、肝の解毒作用を高めることができます。緑の濃い葉物野菜も積極的に取り入れたい食材です。小松菜やほうれん草は、春の肝の働きを、優しく後押ししてくれる心強い味方です
春におすすめの薬膳料理として、セロリとあさりのスープがあります。セロリの香りが気の巡りを促し、あさりが血を補って女性特有の不調を和らげてくれます。また、菜の花としらすのおひたしも春の定番です。菜の花の適度な苦味が肝の解毒を助け、しらすでミネラル補給もできる優れた組み合わせです。
夏の薬膳セルフケア~心を守り暑さに負けない体作り~
夏は「心」の季節。暑さによって体に余分な熱がこもり、のぼせや不眠、イライラが起こりやすくなります。水分と気持ちをクールダウンさせる食材が大切になります。
- 白きくらげ(乾燥に強く、肺や肌に潤いを与えるきのこ。クセが少なく、スープやデザートに)
- クコの実(小さな赤い実で、薬膳や美容に欠かせない存在。スーパーのドライフルーツ売り場でも購入可)
- ハスの実(漢方でも使われる、心を鎮める作用のある豆の一種。やさしい甘み)
- 小豆(むくみ予防や余分な熱の排出に役立つ。煮物やお粥に)
夏は「心」の季節です。心臓の働きが活発になり、血流も良くなる反面、心に負担がかかりやすい時期でもあります。特に更年期の女性は、のぼせや動悸、寝苦しさといった症状が現れやすくなります。夜中に何度も目が覚めたり、顔がほてって汗をかきやすくなったりするのは、心の疲れが原因かもしれません。
夏の薬膳では、体の余分な熱を取り除く「清熱」の食材が重要になります。きゅうりやトマト、スイカなどの水分豊富な食材は、体を内側から冷やして暑さから守ってくれます。ゴーヤの苦味も、心の熱を鎮める効果があります。
また、夏は汗をかくことで体の潤いが失われがちです。豆腐や豆乳、白きくらげなどの潤いを与える食材を意識して摂るようにしましょう。特に白きくらげは「肺の潤い」を保つ効果があり、夏バテ予防にも役立ちます。
心を落ち着かせる食材として、小豆やハスの実、クコの実なども夏の薬膳には欠かせません。これらの食材は、興奮した心を鎮めて、質の良い睡眠をサポートしてくれます。
夏におすすめの薬膳料理は、トマトと豆腐の冷やしスープです。トマトのリコピンが熱を鎮め、豆腐が失われた潤いを補ってくれます。また、小豆とハトムギのおかゆは、心を落ち着かせながら余分な水分を排出し、夏特有のむくみにも効果的です。
秋の薬膳セルフケア~肺を潤して乾燥から身を守る~
秋は「肺」の季節。空気の乾燥とともに、喉や肌、呼吸器系が敏感になりやすくなります。潤いのある食材で内側から乾燥対策を。
- 百合根(ホクホクとした食感で、肺や心を穏やかに整える。煮物やスープに)
- レンコン(粘膜を保護する働きがあり、喉の乾燥に効果的)
- 梨(みずみずしく、のどの潤い補給にぴったり。冷やしすぎず常温で)
- 松の実(肌や髪の乾燥に。少量でも栄養価が高く、炒め物やサラダに)
秋になると空気が乾燥し始め、「肺」の働きが乱れやすくなります。東洋医学において肺は、呼吸だけでなく皮膚や免疫機能とも深く関わっています。秋に肌がカサついたり、乾いた咳が出たり、風邪をひきやすくなったりするのは、すべて肺の不調が原因です。
秋の薬膳では、「潤燥」つまり乾燥を潤すことが最も重要になります。白い食材は肺を潤す効果があるとされ、白きくらげや梨、百合根、大根、レンコンなどが代表的です。特に白きくらげと梨の組み合わせは、秋の薬膳の定番として古くから親しまれています。
ナッツ類も秋の体に優しい食材です。松の実やクルミには良質な油分が含まれており、乾燥した肺や肌に潤いを与えてくれます。また、はちみつの自然な甘さも、肺を優しく潤してくれる効果があります。
秋の根菜類であるサツマイモや栗、かぼちゃなども、体を内側から温めながら必要な栄養を補給してくれる優秀な食材です。これらの自然な甘みは、乾燥でダメージを受けた体を回復させる力を持っています。
秋におすすめの薬膳料理として、白きくらげと梨の煮物があります。これは肺と喉を潤す代表的な薬膳デザートで、温かくして食べることで体の芯から潤いを補給できます。また、レンコンと百合根のスープは、粘膜を保護しながら美肌効果も期待できる、秋の女性にぴったりの一品です。
乾燥が気になる季節には、ハーブティーで体の内側から潤いを与えるのもおすすめです。薬膳の考えと共通する自然療法のひとつとして、ぜひ取り入れてみてください。
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冬の薬膳セルフケア~腎を温めて生命力を蓄える~
冬は「腎」の季節。腎は体のエネルギー源であり、冷えや疲れ、老化のサインが出やすくなる時期。温かい料理と滋養を意識して。
- 黒ごま(腎を補う代表的な食材。すりごまで吸収率UP)
- 黒きくらげ(食物繊維が豊富で、腸にもやさしい。炒め物や煮物に)
- 山芋(消化を助けながら、体力や気力も補う。すりおろし・煮物・お粥に)
- 鶏肉(体を温め、気血を補う食材。薬膳スープに最適)
冬は「腎」の季節です。腎は生命エネルギーの源とされ、成長、老化、ホルモンバランス、骨や歯の健康などと深く関わっています。50代になると腎の力が自然と衰え始めるため、冷えや疲労感、不眠、老化現象などを感じやすくなります。
冬の薬膳では、体を温める「温補」の食材が中心になります。黒い食材は腎を補強する効果があるとされ、黒ごまや黒豆、黒きくらげ、ひじき、昆布などが代表的です。これらの食材は、体の深部から温めて生命力を高めてくれます。
根菜類や香味野菜も冬には欠かせません。ニンニクやショウガ、ニラなどの温熱性の食材は、冷えた体を内側から温めてくれます。また、動物性たんぱく質である鶏肉やエビ、貝類なども、冬の体に必要なエネルギーを与えてくれる大切な栄養源です。
また、体を温めるには食べ物だけでなく、冷え取りグッズの活用もおすすめです。特に冬は下半身を冷やさないようにすることで、腎の働きを守り、生命力の低下を防ぐことができます。
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発酵食品も冬の薬膳には重要な役割を果たします。味噌や酒粕などの発酵食品は、腸内環境を整えながら体を温める効果があります。煮込み料理で温かく調理することで、その効果はさらに高まります。
冬におすすめの薬膳料理として、黒ごまと山芋のおかゆがあります。黒ごまで腎を補い、山芋で消化機能も助けてくれる、冬の朝にぴったりの温かいごはんです。また、鶏肉とクコの実の味噌鍋は、滋養強壮効果の高いクコの実と味噌の温め効果で、冷えと乾燥の両方にアプローチできる優れた料理です。
季節の変わり目のケア~脾を整えて次の季節に備える~
季節の変わり目は「脾」が弱りやすく、胃腸の不調や疲れが出やすくなります。自然の甘みを持つ根菜や穀類で、体をやさしく立て直しましょう。
- もち米(胃腸にやさしく、エネルギー補給にぴったり。お粥や蒸し料理に)
- にんじん(「気」を補う代表的な野菜。甘みもあり、スープにも使いやすい)
- 甘酒(「飲む点滴」とも呼ばれる発酵ドリンク。温めて飲むのが薬膳的)
季節の変わり目は、体が新しい季節のリズムに適応しようとする大切な時期です。しかし、この調整期間に体調を崩しやすいのも事実です。胃腸の不調や倦怠感、気分の浮き沈み、自律神経の乱れなどが起こりやすくなるのは、「脾」の働きが弱くなるためです。
季節の変わり目には、消化に良い穀物類を中心とした食事が効果的です。玄米や粟、もち米などの穀物は、胃腸に負担をかけずにエネルギーを補給してくれます。また、根菜類のカボチャやニンジン、山芋なども、脾の働きを助けてくれる頼もしい食材です。
自然な甘みのある食材も、季節の変わり目には重要です。さつまいもや栗などの優しい甘さは、疲れた脾を癒してくれます。発酵食品である味噌やぬか漬け、甘酒なども、腸内環境を整えながら次の季節への準備を助けてくれます。
季節の変わり目におすすめの薬膳料理として、もち米と山芋の滋養おかゆがあります。消化に優しく、次の季節に向けてのエネルギーをしっかりとチャージしてくれます。また、にんじんと甘酒のポタージュは、体も心もほっと温まる、変わり目の時期にぴったりの優しい一品です。
日常に取り入れやすい薬膳セルフケアの始め方
薬膳と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実は日常の中で簡単に取り入れることができます。朝一番にお白湯を飲むことから始めてみましょう。お白湯は胃腸を温めて一日の始まりを優しくサポートしてくれます。
毎日の食事に季節の野菜を一品加えることも、立派な薬膳セルフケアです。春には菜の花、夏にはきゅうり、秋には大根、冬には白菜。旬の食材は、その季節に私たちの体が必要とする栄養素を自然に含んでいます。
疲れた日にはスープで体を休ませてあげることも大切です。温かいスープは消化に優しく、体を内側から温めてくれます。具材を季節に合わせて選ぶことで、自然と薬膳の考え方を取り入れることができます。
お腹を冷やさない服装を心がけることも、薬膳的な生活の一部です。腹巻きや温かい下着で下半身を温めることは、全身の血行を良くして免疫力を高めてくれます。
早寝早起きの生活リズムも、季節と調和した暮らしには欠かせません。太陽の動きに合わせた生活は、自律神経のバランスを整えて、季節の変化に適応しやすい体を作ってくれます。
薬膳と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実は日常の中で簡単に取り入れることができます。朝一番にお白湯を飲むことから始めてみましょう。お白湯は胃腸を温めて一日の始まりを優しくサポートしてくれます。
たとえば、お白湯の代わりに香り高い薬膳茶を取り入れてみるのもおすすめです。体を内側からやさしく温めながら、季節に合ったケアが手軽にできるアイテムです。
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毎日の食事に季節の野菜を一品加えることも、立派な薬膳セルフケアです。
もっと詳しく薬膳について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。日々の食事の中で、薬膳を無理なく続けるコツをまとめています。
▶ 【50代から始める薬膳生活】心と体が喜ぶ!無理なく続けられる薬膳料理のすすめ
50代からの新しいスタート
人生100年時代と言われる今、50代は決して終わりではなく、新しいスタートの時期です。体の変化を受け入れながら、季節に寄り添った生活を送ることで、これからの人生をより豊かに、より健やかに過ごすことができます。
薬膳セルフケアは、特別な食材や複雑な調理法を必要としません。大切なのは、季節のリズムを感じ取り、体の声に耳を傾けることです。春の芽吹きのエネルギーを感じ、夏の陽射しを体で受け止め、秋の実りに感謝し、冬の静寂の中で内なる力を蓄える。そんな自然との調和の中で、私たち自身も健やかに年を重ねていくことができるのです。
忙しい毎日の中でも、ほんの少しだけ季節を意識した食事を心がけてみてください。体調がすぐれない時には、その季節に合った食材を選んでみてください。きっと、体がそっと答えてくれるはずです
薬膳セルフケアは、自分を大切にする心から始まります。季節ごとの小さな変化に気づき、体のサインを受け取り、優しくケアしてあげる。そんな自分への思いやりが、50代からの人生をより輝かせてくれることでしょう。
焦る必要はありません。完璧を目指す必要もありません。季節の流れとともに、ゆっくりと自分を整えていく。その積み重ねが、10年後、20年後の自分への最高の贈り物となるのです。
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