「なんで、またこんなもの買っちゃったんだろう…」
あなたも、そんな経験ありませんか?
買っているときは楽しいのに、帰ってきた瞬間に心が冷えていく──。
それでも、また明日も買い物をしてしまう。
私もそうでした。
夜、ひとりでレシートを眺めながら、私はいつも後悔していました。50代になってもなお、自分のお金の使い方をコントロールできない情けなさ。バッグの中には、買ったばかりのハンドクリームやお菓子、雑貨たち。レジに並ぶときの高揚感はあったのに、家に帰って袋を開けた瞬間、心がスーッと冷えていくあの感覚──。
もしかすると、あなたも同じような思いを抱えているかもしれませんね。
「買い物=ご褒美」という思い込みから抜け出せなかった日々
仕事帰りにコンビニでスイーツを買う。ドラッグストアで限定パックのコスメを手に取る。ストレスがたまった週末は、ネット通販で「これかわいい!」とポチる。最初は”ちょっとしたご褒美”のつもりでした。
でも、ある日ふと気づいたのです。「これ、もう”ご褒美”じゃないな」って。
喜びよりも、後悔の方が大きくなっていました。”買った瞬間だけ”の高揚感を得るために、私はお金を使い、心をすり減らしていたのです。
50代という年齢になって、まさか自分が買い物依存になるなんて思ってもみませんでした。でも振り返れば、コンビニやドラッグストアに入ると必ず何かしら買って出る、カードの利用明細を見て軽く吐き気がするほど後悔する、モノが届いた途端に興味がなくなり放置してしまう──そんな兆候がたくさんありました。
心のSOSを「買い物」でごまかしていた本当の理由
思えば、買い物そのものが「目的」になっていたのかもしれません。何かが欲しくて買ったというより、「なにかをしていないと不安だった」ように思います。
毎日をがんばっても誰にも褒められない。ひとりで食べるごはんに味気なさを感じる。なんとなくSNSを見て、誰かのキラキラした暮らしと比べてしまう。そんなとき、モノを買うことで、自分を元気づけようとしていたのかもしれません。
「いいじゃない、私もがんばってるんだから」「これを買えば、少しは前向きになれるかも」そうやって、自分を励まそうとしていたのです。
でも、結果的には「一瞬だけ満たされて、すぐにまた空しくなる」の繰り返しでした。本当に欲しかったのは「モノ」じゃなくて、”安心感”とか”認めてもらうこと”とか、目に見えないものだったのだと思います。
変わりたいと思った日。心の整理から始めた小さな一歩
通帳の残高は数百円、財布の中にも小銭しかなく、部屋の中は買ったけど使っていないモノたちであふれている──。ふと鏡を見たとき、自分の顔がとても疲れて見えたんです。
「もう、こんな自分でいたくない」そう思った瞬間、涙が止まらなくなりました。
いつもは「明日から節約しよう」とか「もう無駄遣いしないぞ」と、決意だけしては忘れるパターンの繰り返しでした。でもその日は違いました。”頑張るぞ”という前向きな気持ちではなく、”このままじゃ、本当に壊れてしまう”という危機感があったから。
はじめにやったことは、「お金」ではなく「心」を整えることでした。多くの節約術や家計改善法には、「固定費の見直し」や「家計簿の記録」が最初のステップとして書かれています。でも私の場合、それ以前にやらなければならなかったのは、”心の整理”でした。
100円ショップで買ったノートと、使いかけのボールペン。そこに、ありのままの気持ちを書いてみたのです。
「また無駄遣いしちゃった」「買った瞬間は嬉しかったのに、すぐ後悔する」「本当は、寂しいのかもしれない」「誰かに認めてほしかったのかもしれない」
書いているうちに、心の奥にあった”本音”が少しずつあらわれてきて、「わたし、こんな風に感じてたんだ」と気づくことが増えていきました。
心を整える第一歩は、「誰かのために頑張りすぎていた自分」に気づくことから始まりました。
▶ 「誰かのため」ばかりだった私が、自分を大切にできるようになるまで
節約家になれた7つの気づき──「買わない暮らし」は心を整える暮らしだった
節約に苦手意識があった私が、少しずつ意識を変え、心が整っていった。
その過程で得られた「7つの気づき」をご紹介します。
節約って、「我慢」とか「制限」とか、なんだかつらそうなイメージがありませんか?正直、私もそう思っていました。でも実際にやってみたら、違ったんです。
節約とは、自分の本音に耳を傾けながら、「ほんとうに必要なものだけに囲まれる」暮らしを作っていくこと。それは、心を整えることにもつながっていました。
気づき①:感情を記録することで「衝動」の正体が見えてくる
何を買いたくなったのか、そのとき、どんな気持ちだったのか、買わなかったら、どう感じたのか──こうした感情を、できるだけ毎日書き出すことで、「衝動」の正体がだんだん見えてきました。
「疲れてるから、甘いものがほしい」「孤独をまぎらわすためにネットを見て、ついポチってる」──買い物は、心のサインだったんだと気づけました。
「自分の気持ちを書き出すこと」が、心の整理と衝動の理解につながりました。
👉 目標達成ノート|書き出すだけで、気持ちが整う手帳 「なんとなく不安」な気持ちも、文字にするとすっと軽くなります。
気づき②:「買う前に3日置く」だけで冷静になれる
以前の私は、「欲しい!」と思ったらすぐ買っていました。でもその場で買わず、”3日だけ様子を見る”ことをルールにしてみたんです。
すると不思議なことに、3日後には興味が薄れていたり、「似たようなもの持ってた」と冷静になれたり。”時間”は、衝動を冷ます最高のフィルターでした。
気づき③:お金の流れを「見える化」すると現実と向き合える
お金って、”見えないから不安”になるんですよね。逆に、ちゃんと見えていると冷静になれます。無料の家計簿アプリを使って、銀行・カード・電子マネーを連携させることで、自分のお金の流れが一目でわかるようになりました。
数字は嘘をつかないし、現実を知ることが「無駄をなくすヒント」になるんです。
気づき④:代替行動を用意しておくと衝動に流されない
「何か買いたい」という衝動に駆られたとき、すぐに行動に移すのではなく、代わりの行動を用意しておくことが、とても効果的でした。外の空気を吸いながら散歩をする、ハーブティーを淹れて深呼吸しながら飲む、手帳やノートに今の気持ちを書き出す──。
こうした行動をとることで、不思議と「買わなくてもいいかも」と心が落ち着いていくことに気づきました。
買い物の衝動が出てきたときは、深呼吸できる空間づくりも心を整える助けになりました。
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気づき⑤:ポイントやクーポンは「目的ある買い物」にだけ使う
それまでの私は、「安いから買う」「お得だから買う」で失敗してきました。でも今は、「必要なときに、ポイントや特典をうまく使う」ことに意識を切り替えました。
「ポイントがあるから何か買わなきゃ」は卒業。”使うために買う”から、”必要なときに賢く使う”へ。
気づき⑥:「買わない日」を記録して自分を褒める
最初のころは「今日は何も買わなかった!」という日を、スケジュール帳に○をつけて記録しました。それだけで達成感があって、続けるモチベーションにもつながりました。
ポイントは、「我慢できた」ではなく「自分を大事にできた日」として捉えること。「今日は心が満たされてたから、買わなかった」──そんな風に、少しずつ”自己肯定感”を育てていけたのです。
気づき⑦:ひとりで抱えず「仲間」を見つける
最後に大切だったのは、「ひとりで頑張らないこと」でした。ネットで”節約仲間”のブログを読んだり、SNSで同じように頑張っている人の投稿を見ることで、励まされました。
誰かに「わかるよ」と言ってもらえるだけで、節約は”孤独な戦い”じゃなくなります。
「買わない暮らし」で得られた、本当の豊かさ
かつての私は、「節約はつらいもの」「我慢の連続」だと思っていました。でも、買い物依存を抜け出すために始めた節約生活は、意外なことに、私に”満たされる感覚”を取り戻してくれたのです。
以前の私は、いつも「ない」ものばかりに目を向けていました。お金がない、余裕がない、友達が少ない、何も持っていない自分──。だからこそ、「買うこと」で”ある”を手に入れようとしていたのかもしれません。
でも、節約生活を続けるうちに、こんな気づきがありました。「私、もう十分持ってるじゃないか」って。
あたたかい布団がある。朝、淹れたてのコーヒーを飲める。元気に歩ける体がある。穏やかに過ごせる家がある。そして、ちゃんと考える頭と、心もある。
今ここに”あるもの”に目を向けることで、心の中にあった焦りや空虚感が、少しずつ静かになっていったのです。
買った瞬間の高揚感とは違うけれど、「私、変われてる」「ちゃんと自分を大事にできてる」そんな感覚が、じわっと心に広がっていく。これは、衝動的な買い物では決して得られなかった”満足感”でした。
それでも「買いたくなる日」がある。だからこそ続けられる工夫
私は今でも、ふと「何か買いたいな…」って思う日があります。ストレスが溜まった日、誰にも会わず孤独を感じた日、仕事でうまくいかず自信をなくした夜──。
でも、それが「悪いこと」だとは、もう思わなくなりました。人は”感情”の生き物だから、波があって当たり前。どんなに節約がうまくいっていても、心が揺れるときは必ずやってきます。
だから私は、「感情を落ち着ける習慣」をいくつかもつようにしました。あたたかいお茶をゆっくり飲む、お風呂で好きな音楽を流す、ノートに今の気持ちを書き出す、ベランダの植物に話しかける、好きなポッドキャストを聞きながら散歩する──。
こうした「小さな整え時間」が、衝動をやわらげてくれました。買い物じゃなくても、心はちゃんと回復するんだと実感できたのです。
それでも買いたいときは、堂々と”買う”と決めています。「今日は特別に買いたい」と思ったときは、後悔しないように、自分の気持ちを整理したうえで買うようにしています。そして、買ったあとにはこう言います。
「よし、今日はこれで心がほっとした。また明日から、自分のペースで整えていこう」
自分を責めるのではなく、優しく受け入れる。それが、節約を”続ける”ための一番のコツだと気づきました。
今、ようやく「お金と自分」にやさしくなれた
昔の私は、「お金=足りないもの」でした。いつも不安で、将来が怖くて、「もっとあったら…」と感じてばかり。でも今は、お金に対して、まったく違う感情をもっています。
「無理して増やさなくても、整えるだけで安心できる」そんな実感が、少しずつ、じんわりと心に根づいてきたのです。
節約を続けていくなかで、私は気づきました。お金って、”追いかける”ものじゃなくて、”育てていく”ものなんだって。それはまるで、植物を育てるようなもの。こまめに世話をし、水を与え、日当たりを工夫しながら、気づけば少しずつ芽を出している──そんな感覚に近いです。
節約生活を通じて、変わったのはお金との関係だけじゃありません。もっと大きかったのは、自分との関係がやさしくなったこと。浪費していた過去の自分を、責めずに見守れるようになった。気持ちが揺れた日も、「大丈夫」と声をかけられるようになった。ちょっと贅沢した日でも、罪悪感よりも感謝を感じられるようになった。
お金に振り回されていた頃の私は、どこかで「お金=敵」だと思っていたのかもしれません。でも、家計簿をつけたり、心を整えながら暮らすようになって、お金はむしろ、「私の暮らしを守ってくれる、やさしいパートナー」のように思えるようになったのです。
あなたにも伝えたい。買い物依存を乗り越えたからこそ言えること
もし今、この記事を読んでくださっているあなたが「また無駄遣いしちゃった」「買い物がやめられない自分が嫌だ」「通帳を見るのが怖い」そんな思いで胸がいっぱいなら、どうかこの言葉を受け取ってください。
あなたは、ちゃんと変われます。そしてその変化は、ほんの小さな一歩から始まります。
私は決して、意志が強いタイプではありません。むしろ、衝動的で飽きっぽく、失敗ばかりしてきました。「よし、明日から節約しよう」と決意しても、3日後にはネットでポチってる。「今月こそ家計簿つけよう」と思っても、すぐに挫折。そんな自分が嫌で、情けなくて、何度も涙が出ました。
でもね、今は言えるんです。「それでも、あきらめなければ、人は変われる」って。
私が変われたのは、”我慢”したからじゃありません。自分の弱さを認めて、「それでも大丈夫」と受け入れたことがきっかけでした。寂しさを買い物で埋めようとしていたこと、自分に自信がなくて、モノで補おうとしていたこと、一人で頑張りすぎて、誰にも助けを求められなかったこと──。
そういう自分を否定せずに、「それでもよく頑張ってきたね」と自分自身に声をかけるようになってから、少しずつ、ほんとうに少しずつ変わっていきました。
節約は、お金を守るためだけのものではありません。自分自身の心を整え、人生の主導権を取り戻すための手段だったと、今ならわかります。
あなたが今どんな状況でも、どんなに自己嫌悪を抱えていても、「変わりたい」という思いが心のどこかにあるなら──もう、その瞬間から変化は始まっています。
大丈夫。焦らなくていい。完璧じゃなくていい。転んでも、また立ち上がればいい。
「買わない日」が1日できたら、自分を褒めてあげてください。「今日は無理だった」と思う日も、自分にやさしくしてあげてください。その繰り返しが、あなたを救ってくれるはずです。
どうか、あなたのこれからの毎日が、”買わないこと”で縛られるのではなく、”整えること”で満たされる日々になりますように。
🌿 今日のわたしに、ちょっとやさしくなれるものたち
- 📖 『我慢して生きるほど人生は長くない』鈴木祐介さんの本
──心が疲れたときに、そっと寄り添ってくれる言葉たち。 - 📝 目標達成ノート|書き出すだけで、気持ちが整う手帳
──「なんとなく不安」な気持ちも、文字にするとすっと軽くなる。 - 🍃 アロマディフューザー(Minidiva)
──やさしい香りで、お部屋に深呼吸の時間を。 - 💜 ラベンダー精油(プラナロム)
──眠れない夜や、心がざわつく日におすすめ。 - 🧺 セカンドストリート|やさしく手放す、お片付けの味方
──まだ使えるものたちを、次の人へ。おうちも心もスッキリ。
