朝の電車、ぎゅうぎゅうの車内。
無理やり押し込められながら、心の中でつぶやく。
「…もうムリかもしれない」
それは突然ではなく、じわじわと蓄積していた感情だった。
毎朝のアラームが鳴るたびに、胸の奥がズーンと重くなる。
布団の中で目を閉じて、「あと10分だけ」とつぶやくけれど、
本当は永遠に目覚めたくない気持ちのときさえある。
50代になった今、仕事の悩みは減るどころか、逆に増えた。
身体はついてこない。
気力も、昔ほど湧いてこない。
だけど社会や職場の期待だけは変わらず、わたしの肩にのしかかってくる。
「このまま、ずっとここで働き続けるの?」
「何のために働いてるんだろう?」
「この年齢で辞めたら、もう終わり?」
──そんな問いを、心の中で何度も繰り返す朝がある。
50代、キャリアの“最終章”に差しかかるとき
20代、30代はとにかくがむしゃらだった。
40代は責任と家族のために走り抜けた。
そして気づけば、50代。
周囲からは「ベテラン」と呼ばれる。
年下の上司、どんどん台頭してくる若手。
そんな中で、自分の“立ち位置”が分からなくなる。
「自分にしかできない仕事なんて、本当にあるのだろうか」
「私はもう“使いづらい人”になってるのかもしれない」
そう思い始めると、仕事の一つひとつがつらくなってくる。
「やりがい」も、「向上心」も、「達成感」も、
いつの間にか、どこかに置き忘れてきたような気がした。
お茶を飲む時間が、ほんのり自分を取り戻せる大事な時間。
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「頑張ってきたのに」──評価されない苦しみ
長年働いてきた。
我慢もしてきた。
理不尽なことにも耐えた。
だけど、年齢を重ねるにつれ、
「変化に弱そう」「覚えるのに時間がかかりそう」と勝手に決めつけられる。
若い子ばかり優遇され、自分は後回し。
意見を言えば「年配の意見は重い」と嫌がられることも。
あれだけ頑張ってきたのに。
何も積み上がっていないような、そんな虚しさに襲われる。
50代になって初めて、「評価されることの難しさ」と「必要とされることの大切さ」を知った。
「更年期×職場ストレス」のダブルパンチ
ただでさえつらい更年期。
ホットフラッシュ、倦怠感、気分の波。
それに加えて、職場のストレスがのしかかる。
ほんの些細な一言で、感情が崩れてしまう日もある。
自分でも「コントロールできない」と感じることが増えた。
「今日は平気」と思ったら、突然涙が出てくる。
「気にしない」と思ったら、頭が痛くなって眠れない。
そんな自分を「面倒くさい」と思う人が周囲にいたらどうしよう──
そう考えて、ますます黙り込む。
誰にも言えない。
でも、本当は、誰かに「つらい」と言いたい。
辞めたいと思った日──わたしが潰れかけた瞬間
ある日のこと。
職場のトイレで、こっそり泣いた。
音が聞こえないように、手で口を押さえながら。
「またミスした」
「また注意された」
「もうダメかもしれない」──
その日は朝からずっと息苦しくて、昼休みは車で10分だけ仮眠した。
目を閉じないと、午後がもたなかった。
だけど寝ても回復せず、帰り道に足が動かなくなった。
「このまま、誰にも気づかれずに消えたい」と思った。
けれど、そんなときでも頭のどこかで声がする。
「もう少しだけ、頑張れない?」
「辞めたら、後悔するんじゃない?」
「今よりもっと大変になるんじゃない?」
──わたしは弱い。けれど、それでも踏みとどまってきた。
辞める勇気も、続ける覚悟も、どちらもないままに。
毎日の仕事や家事で、体が重く感じるとき。
わたしはこのマッサージクッションに頼っています。
ぎゅっと固まっていた肩や腰がほぐれていく感覚に、自然と涙が出たことも。
「今日もよくがんばったね」って、自分にやさしくなれる道具です。
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🌿 本当は誰かに言いたかった、でも言えなかった──そんな気持ちを抱えてきた人へ。

「辞めたい」その裏にあった“本当の気持ち”
あのときわたしは、ただ仕事を辞めたかったわけじゃなかった。
本当は、「わたしをちゃんと見てほしかった」んだと思う。
がんばっても評価されない。
話しかけても流される。
自分の声が、誰にも届かない場所にいるような気がしていた。
「辞めたい」という言葉の裏には、
“自分の居場所がない”という、深い孤独があった。
何年も、誰にも弱音を吐けずに、
「大丈夫」「平気」「頑張るね」と笑っていた。
それが少しずつ、わたしの心をすり減らしていたんだと思う。
「辞めたい」とつぶやいた日、
本当に辞めたかったのは、
「つらさに気づかないフリをしてきた自分」だったのかもしれない。
辞める前に、「整える」ことを始めた
あるとき、本で読んだ言葉が胸に残った。
「辞めたくなるのは、環境が悪いのではなく、心が疲れ切っているとき。」
辞めるか、続けるか。
その二択に追い詰められていたわたしにとって、
“心を整える”という発想は、どこか救いだった。
だから始めてみた。
夜寝る前に、5分だけノートに気持ちを書く。
朝の支度中に、アロマの香りを部屋に満たす。
休日には、クローゼットの中を一つだけ片づける。
大きな変化はなくても、
少しずつ、心の中に空気が通るようになっていった。
仕事は変わらないけれど、
“感じ方”が変わると、不思議と楽になる瞬間があった。
どうしてもモヤモヤが頭から離れない日。
わたしはこのマインドフルネスノートに、思っていることをぜんぶ書き出します。
どんなにぐちゃぐちゃでも、文字にしてみるだけで、少しだけ気持ちが整理されてくるから不思議です。
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🧩 人間関係に疲れたとき、「信頼って何?」と分からなくなったことはありませんか。

「わたしのままで働く」選択肢に気づいた
ずっと、「辞める=ゼロになる」と思っていた。
でも、“自分をすり減らさずに働く道”は、必ずある。
少しずつ視野を広げていく中で、そんな風に思えるようになった。
50代だからこそ、
「わたしにできること」「わたしだからこそ届けられること」がある。
若い人にはできない、聞く力や、寄り添う力。
経験の中からにじみ出る言葉や空気感。
それは、“わたしが歳を重ねてきた証”でもあった。
完璧じゃなくていい。
ただ、誠実に、ていねいに、自分のペースで働く。
そんな選択肢を自分に許したとき、心がすっと軽くなった。
人生の主導権を、もう一度わたしの手に
「このまま歳をとっていくだけ?」
「わたしの人生って、何だったの?」
そう思ったこともあるけれど、
今なら少し違う言葉が出てくる。
「これからは、わたしがわたしの人生を選び直せる」って。
50代は、終わりじゃない。
ここから、人生を再編集する時間だと思えば、まだまだできることはある。
辞めるもよし。続けるもよし。
何を選ぶかじゃなく、“どう在るか”が大切なんだと、やっと思えるようになった。
🌈 「自分らしく生きる」って、具体的にどういうことなんだろう──そんな疑問に優しく寄り添うヒント。7

おわりに : 「辞めたい」は、心からのSOSだった
「辞めたい」って、
ただのわがままでも、甘えでもない。
それは、自分の心からのSOS。
長年がんばってきた証でもある。
だからこそ、そんな気持ちを責めないでほしい。
そして、「自分にとって本当に大切なこと」に目を向けてほしい。
50代。
まだ、人生の途中。
泣いてもいい。
休んでもいい。
自分の気持ちを整理する時間をとってもいい。
いつからでも、どこからでも、
“わたしのペースで働ける生き方”を選んでいい。
人生のハンドルは、
これからまた、自分の手に取り戻していけばいいのだから。
識を持つだけで、少し気持ちがラクになります。
人生は“今”がいつだってスタート地点。
50代でも、60代でも、遅すぎるなんてことはありません。
自分らしく、心地よく、働ける場所を見つけていけますように。
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